「神戸はなぜ不人気な観光地になったのか?」と論じているブログを目にした。好きな街神戸をディスるなんて!と思ったけど残念ながら否めない点が今の神戸にはある。
神戸のまちづくりや観光に携わる人たちに少しでも届いてほしくて、あえて大好きな神戸のとある観光地についてディスります。改善の期待を込めて。
唖然とした“うろこの家”
神戸観光のモデルコースに必ず入る北野異人館街巡り。初めてまともに行ってみた。コロナ禍が影響しているのか?平日は休館が多く閑散としていた。12月初旬GoToキャンペーンはまだ実施されていた時期に、神戸という観光地がこんなに寂しげでいいのか?と一抹の不安を抱きながら、まず人気の洋館“うろこの家”を目指した。幸い“うろこの家”と周辺の施設は開いていたのでチケットを購入。え?2100円もするの!?4箇所のギャラリーや洋館を回れるチケットだったけど、セットで買わされると高い気がする・・・まぁ、現存する美しい洋館を見学できるのだからよしとして、印象に残らない1軒くらいを巡った後に第一の目的地“うろこの家”に到着。ガイドブックやポスターで見てきた神戸観光シンボルの一つあの洋館だ。なのに、、唖然愕然。国指定登録有形文化財である“うろこの家”がひどいことに。
今年の世相を現すセンス悪いオブジェたちが、うろこの家の一番の見所部分にへばり付いている。悪趣味・・・と目を疑った。ちらほらいる観光客も「写真撮るのに邪魔!」など嘆き声が聞こえてきた。
さらに嫌な予感がしながら中に入ると的中!なんの親和性もない寄せ集めの銅像やら置物たちが陳列されている。古の住人が所有していた所縁の品々や当時の暮らしぶりがわかる調度品や美術品の展示なら理解できるけど、一切関係なさそうな、誰かさんの趣味で集められた仏像などがうろこの家の内観を邪魔するように展示されている。一体何を見せられているのか?とガッカリするも一周回って、探偵ナイトスクープでお馴染みの“パラダイス”に来ているような気になってちょっと面白くなtたり・・・一方で関東から遊びに来ていた友人に、神戸で最も有名な観光地を案内しているはずなのに・・・と恥ずかしく残念で悲しくなった。
期待通りの風見鶏の館
うろこの家でテンションが下がったままの友人を連れ、もう一つの観光シンボル“風見鶏の館”を目指し、閑散とした異人館街を歩く。うろこの家の期待はずれ感から道中の数々の洋館には立寄る気も失せ、しかし坂と路地がある洋館が点在する街並みは散策するには楽しい。少しテンションを戻しながら、次の目的地“風見鶏の館”前に到着。
こちらのエリアはまた別の運営者なのかチケット販売の様相が少し違っており、近くの洋館とセットだと少し安くなるシステムだった。しかも館内の案内スタッフは丁寧な対応だし、また風見鶏の館や周辺の洋館はしっかり建物内部やかつての暮らしが伺える展示となっていて見応えもあった。少し安心した。
分断された神戸北野異人館街?
今も保存され観光資源として活用されている神戸北野異人館街。昔からそうだったのか?震災後から変わってしまったのかは不明ながら、エリアで毛色が違う運営。“うろこの家”側は神戸らしくない、観光地をダメにする空気が漂っている。振り切って「パラダイス」にしてしまうつもりなのか?このままだと、せっかく神戸に訪れた観光客が誤解をし、先に“うろこの家”に行った人は異人館はこんなレベルかと、独特の街並みも堪能せず”風見鶏の館”にも寄らず早々に帰ってしまうかもしれない。いや、私が知らなかっただけで既に異人館街全体がそのようなエリアとして認識され、昨今は閑古鳥が鳴いているのかもしれない。
古い建物を保存管理する大変さ、入館料の取り方や平日を休館にせざるを得ない事情もありそうだが、あの“うろこの家”の魅せ方はまずい。悪循環に陥っている。間違った方向を正して、昔の輝きというより、本来の港町山の手に洋館が点在する異国情緒溢れるエリアとして一帯で“神戸北野異人館街”を盛り上げて欲しい。
今は宝の持ち腐れになっている、あの独特の雰囲気をじっくり堪能できる魅せ方ができないものか?と、また近いうちに思いを巡らせ北野異人館街を散策してみようと思う。