松岡茉優が休演した「江戸はもえているか TOUCH AND GO」超レア代役は誰?

舞台は遅刻厳禁。とくに三谷幸喜の舞台は冒頭から面白い仕掛けがある。開演5分前の影アナで早速笑わせてくれたり、前説を演者がやったりと、開演前から楽しませてくれるのが三谷さんの舞台。開演5分前に到着した私は、初めての新橋演舞場にワクワクしながら、花道のすぐ脇の席に座った。

まもなく開演。照明が変わり客席の奥から音がしたかと思うと、黒子姿の男性が舞台の方に花道をかけて行った。さ、始まった。今日の冒頭演出、何が始まるのだろう?という期待と同時に目に入ってきた下手舞台に立つ男性、その姿は手に台本、黒子姿の三谷幸喜!?

ん?何かが変だ。何かあったのか?? 一転、会場の空気も変わり三谷さんから事態の説明が始まった。

今日、出演予定の松岡茉優さんが体調不良で休演する。そして公演自体を中止にすべきか悩んだ末に、驚きの一手、三谷幸喜が代役を務める!?と発表された!!
しかも当然ながら台詞を覚えていないから、台本片手にやるという・・・

とても今日の舞台を楽しみにしていた私、そして初めて三谷作品を観る友人を連れてきた私にとってこれは由々しき事態。私と友人の貴重な舞台経験になるか、期待ハズレに終わるか、とっても高いチケットなだけに大博打の舞台になるなと、期待が40%、落胆が60%で舞台が始まりました。

三谷さんは終始手に台本を持ったまま台詞を読み上げる。そして回りの演者の芝居が続く。初めは斬新で面白かったが、一方で気になって集中も出来なかった。他の演者の戸惑いが見える気もする。

でも私が安心したのは、隣で観る舞台初心者で三谷作品初めての友人が、会場が大爆笑するのに合わせ、一緒に笑っていた。良かった、私も徐々に集中して観れるように。

本来、松岡さんのハツラツした姿だから生きてくるシーンがすべて三谷さん(笑)滑稽だけど、舞台自体の印象はガラッと違うのだろうな・・・と思いながら、それなりに楽しめた。

なんと言っても超レア経験。舞台に立つ演者はもちろん、スタッフも、そして何より体調を崩された松岡さんにとって緊急事態。それを最強のチームワークで乗り越えた舞台は、本来のクオリティにはほど遠い出来だったのだろうな〜と思いつつも、素晴らしい舞台でした。
そして何より、一緒に行った友人はとてもとても楽しんでいました。

あと一つ、大きな収穫は、高田聖子さんの舞台を本当に久しぶりに観れたこと。今回、中村獅童さんが出演することくらいしか知識が無かった私は、終始舞台上で大活躍する女中役が高田さんだ!と途中で気づき、今回の危機をその圧倒的な舞台の回しっぷりで引っ張っている様子にすっかり魅了されました。

松岡さんが出演するこの作品も観てみたかったけど、観に行く日によって違う生の舞台が私にとって演劇鑑賞の醍醐味、結果大満足の観劇でした。

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